若 葉 亭
[トップに戻る] [記事リスト] [新着記事] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

タイトル 【戦法図鑑】136 矢倉 脇システム
投稿日: 2005/03/03(Thu) 19:43
投稿者千鳥銀

前章までの森下システム同様、棋士の名前を冠した戦型として脇謙二八段が
体系づけ完成させた脇システムを御紹介します

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽8四歩    ▲6八銀    ▽3四歩    ▲6六歩    ▽6二銀
▲5六歩    ▽5四歩    ▲4八銀    ▽4二銀    ▲5八金右  ▽3二金
▲7八金    ▽4一玉    ▲6七金右  ▽7四歩    ▲6九玉    ▽5二金
▲7七銀    ▽4四歩    ▲3六歩    ▽3三銀    ▲7九角    ▽3一角
▲3七銀    ▽6四角    ▲4六角

「図1」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v歩 ・ ・v銀v歩v歩|三
| ・v歩v歩v角v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 角 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 銀 歩 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 玉 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=27  ▲4六角(79)  まで

「図1」は矢倉3七銀型から、後手の▽6四角に対して▲4六角と出て角を
ぶつけた所ですが、この手が脇システムの骨子となる一手です

「図1」から「図2」までの手順

▽7三銀    ▲7九玉    ▽4三金右  ▲8八玉    ▽3一玉    ▲2六歩
▽2二玉    ▲2五歩    ▽8五歩    ▲1六歩    ▽9四歩    ▲9六歩
▽1四歩

「図2」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v銀v歩 ・v金v銀v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v角v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 角 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ 歩 銀 ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=40  ▽1四歩(13)  まで

互いに角を交換すると手損になるので、角が睨みあったまま駒組みが進んで
「図2」の局面が脇システムの基本図です ただし端の形は互いに突き越す
など、いろいろ変化が有ります

「図2」から「図3」までの手順

▲6四角    ▽同 銀    ▲2六銀    ▽6九角    ▲1五歩    ▽同 歩
▲同 銀    ▽同 香    ▲同 香    ▽4七角成  ▲1三歩    ▽同 桂
▲4一角    ▽6二飛    ▲6五歩    ▽5三銀    ▲3二角成  ▽同 飛
▲1九香    ▽1二歩    ▲1八飛    ▽4六角    ▲1三香成  ▽同 角

「図3」
後手の持駒:銀 香 歩二
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛v玉v歩|二
| ・ ・ ・v歩v銀v金v銀v歩v角|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 銀 金 ・v馬 ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ 飛|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 桂
手数=64  ▽同 角(46)  まで

角交換は手損になるのですが「図3」から▽6四角と角を交換して▽同銀に
▲2六銀と棒銀に出るのが脇システムの狙い筋です ▽6九角は後手の
有力手で 以下はプロの実戦を参考にした進行例です「図3」から一気に
後手玉を寄せ切ります

「図3」から「図4」までの手順

▲2四桂    ▽同 歩    ▲同 歩    ▽同 銀    ▲1四歩    ▽2三歩
▲1三歩成  ▽同 歩    ▲4一角    ▽6二飛    ▲3二金    ▽1二玉
▲2八飛    ▽2五香    ▲同 飛    ▽同 銀    ▲2八香    ▽3六銀
▲4二金    ▽同 飛    ▲2三香成  ▽2一玉    ▲3三歩

「図4」
後手の持駒:飛 金 銀 桂 歩四
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ 角 ・v玉 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・v歩v銀v金 歩 杏v歩|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・v銀 ・ ・|六
| ・ 歩 銀 金 ・v馬 ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=87  ▲3三歩打  まで

「図4」で先手必勝となります 手順中▲3二金に▽同飛ですと▲1三飛成
の大技が決まります このように脇システムは意外に強力な戦法なのです


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
タイトル
メッセージ   図表モード 手動改行 強制改行  
参照先−(入力禁止です)
暗証キー (英数字で8文字以内)
  プレビュー

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー