それでは駒組み編の「図2」から先手が一気に後手の固い矢倉囲いを
木っ端微塵に粉砕する所を見て頂きましょう
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・v角v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v銀 ・v金v銀v歩 ・|三
|v歩v歩 ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 銀 角 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ ・ 桂 歩 ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=52 ▽7二飛(75) まで
「図1」は駒組み編の「図2」と同一局面です ここまでの手順は前章の
駒組み編を見てください この先手側の攻撃陣は"矢倉崩し”と呼ばれる
矢倉に対する理想的な攻撃形の一つです そして陣形全体も9章の
駒組み3大原則を全てクリアしている事を確認してください
「図1」から「図2」までの手順
▲4五歩 ▽同 歩 ▲4四歩 ▽同 銀 ▲4五銀 ▽同 銀
▲4四歩 ▽5三金 ▲4五桂 ▽5二金 ▲6一銀 ▽8二飛
▲5二銀成 ▽同 銀 ▲4三歩成 ▽同 金 ▲5三桂成
「図2」
後手の持駒:銀二 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v銀v角 ・v玉 ・|二
| ・ ・ ・ ・ 圭v金 ・v歩 ・|三
|v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・ 角 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ ・ ・ 歩 ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金
手数=69 ▲5三桂成(45) まで
「図2」までとなって先手の必勝となります ここまでの手順で重要な
ポイントとして▲4五歩 ▽同歩と取った時に▲4四歩と打つ手筋です
この手で単に▲同銀と取ると▽4四歩と受けられ以下▲同銀 ▽同銀
▲同角 ▽同金 ▲同飛と攻めても▽4三銀と受けられ思ったより
うまく行かないと言う事です 失敗例として「図3」に示しておきます
「図3」
後手の持駒:角 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v飛 ・ ・v角v金v玉 ・|二
| ・ ・ ・v銀 ・v銀 ・v歩 ・|三
|v歩v歩 ・v歩v歩 飛v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 金 ・ ・ 桂 歩 ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 銀 歩三
手数=62 ▽4三銀打 まで
後手に▽4四歩と受けられないように▲4五銀 ▽同銀に再度▲4四歩
▽5三金とさせてから▲4五桂と金取りで銀を取って行きます
以下「図2」となった局面では後手陣は収拾がつきません
なお途中▲6一銀と飛金両取りに打った形を"割り打ちの銀”と呼びます
「図2」までの手順も変化は有りますが ▲4五歩の後どう指しても
先手の勝ちに変わり有りません それだけ「図1」の先手陣は理想形
と言える最高の布陣なのです